つるかめ農園について
自然栽培のお米
千葉県のいすみ市で「つるかめ農園」を営んでいる農家です。つるかめ農園では、農薬はもちろん肥料も使わない自然栽培という方法をもちいて10年以上前からお米づくりに取り組んでいます。家畜の糞尿や堆肥など動植物質由来の有機肥料を使う有機栽培とも違い、より自然の力だけで植物を育てる方法です。植物はしっかりケアをしてあげさえすれば、太陽と水と空気と生き物の循環が支え合う自然本来の力だけで、じっくり力強くたくましく育ってゆきます。私たちはそうやって自然の調和と循環と常に向き合いながらお米を育てています。お米の収穫だけをみるのではなく、お米の育つ土壌や環境と共に育んでゆくのです。
つるかめ農園ってこんなところ
つるかめ農園で目指しているのは、お米づくりだけではありません。お米を通した自然と人とのつながりや文化をとても大切にしています。自然と調和して生きているのは植物だけでなく人もまたその環境のなかで育まれていくからです。しかし、自然と共生する生き方や、自然と関わる農業などに従事する担い手は年々少なくなっています。お米づくりも同じで、手間ヒマをかけて一生懸命に質のよいお米を作ったとしても販売価格は低く、お米づくりが経営としてなりたたない構造があるからでしょう。また、農作業の大変さばかりが取り沙汰されるため農業自体がどんどん魅力のないものになっているように思います。
でも、実はお米づくりは人が一斉に集まって作業すると想像以上に楽ちんで、何よりとっても楽しいんです。近年は自己責任、個人の多様化だといってあまり地域に集まる活動は少なくなっていますが、昔ながらの日本には本来みんなでゆるくつながり、心も体も楽に暮らせる『結(ゆい)』という優しくも根強い助け合いの文化があったと思うのです。
先人たちによって育まれてきたこの素敵な『結(ゆい)』の文化を引き継いでいきたい。たくさんの人が関わりを持って、「あぁ、こんな素敵な人の結びつきがあるんだ」と実感してもらえる場所。つるかめ農園をそんな場所にしたいと思っています。そしていつか、一人一人がまた新しい場を作って有機的に繋がり合うことで、関係そのものが巡り合う豊かなコミュニティーが生まれると思うのです。
お米を通して結ばれるもの
つるかめ農園には、お米づくりを通して繋がる様々な活動があります。例えば、何組かの家族で醤油樽をシェアして、1年かけて醤油をつくったりしています。つるかめ米から作った米麹と自家製大豆で1年分の味噌作りをしたりもしています。仲間どうしで助け合い楽しく楽に生活ができるのです。ときには別の家族から果物や魚介類のおすそ分けをいただくこともあります。
お米づくりを学びたい方はもちろん、自然食や健康に興味のある方、パーマカルチャーに想いのある方など様々な方がつるかめ農園に足を運んでくれます。だから、農業以外の多種多様なバックグラウンドを持った人がとても多く集まります。コミュニティーに関わったデザイナーさんによってつるかめ農園のブランドロゴができたり、忙しい合間に足を運んでくれるエンジニアさんやマーケッターさんがホームページや動画作成や広報などを手掛けてくれたりしています。このような架け橋が新しいモノづくりにつながることもあります。つるかめのお米をつかった地元いすみ市の酒蔵でつくる純米酒や、千葉大学の学生たちとの共同で生まれた玄米の糀からできたジャムなどの商品も生まれています。
地球や自然と共存し、そして地域に住む人や地域を好み足を運んでくれる人々と助け合い、余剰物をみんなで分かち合いながら心地よく楽しく生きる、お米づくりをとおして豊かに広がっていくコミュニティーがあります。
天然自然にこだわった食のつながり
つるかめ農園では、地元で同じように天然自然にこだわる企業や職人さん大学などとの協業にも積極的に取り組んでいます。つるかめ農園は、「自然の調和と循環に根ざした暮らしをつくる」という価値観に基づき稲作を中心とした農業を営んでいます。そのため、栽培だけでなく、収穫、食品づくり、販売そしてその商品を選んで味わってくれるみなさまも含めたすべての工程がひとつの自然な共同体としてのつながりを生むと考えています。
近年では、その取り組みのひとつである日本酒づくりが実を結び、世界の利き酒コンクールで最高賞を受賞することができました。地元で同じように天然自然にこだわる老舗の木戸泉酒造さんといっしょにつるかめ米を使って醸した日本酒です。ワイン文化の根付いたイタリア「MILANO SAKE CHALLANGE 2022」にてプラチナ(最高)賞を受賞することができました。”源”は「Kura Master 2021」から2度目の受賞となります。自然の恵みの象徴であるお米を通して、目に見えない風土を人間の五感で感じられるようにする試みに光が見えたような思いです。
イタリア「MILANO SAKE CHALLANGE 2022」にてプラチナ(最高)賞をダブル受賞!
つるかめに込めた想い
いすみ市は、田んぼに鶴が飛来したり海亀が毎年産卵しにきたりする豊かな自然に抱かれた場所でもあります。そんな豊かな場所で、自然と人間が共存し互いに享受し合う豊かな文化をゆるやかに長く続けていけたら。。。「鶴は千年、亀は万年」長寿や縁起のよい言葉としてはもちろんですが、ご先祖が築き上げてきたものをより良くして、今のこどもたちに千年先そのさらに先まで永く残していきたい。そんな想いを込めて「つるかめ農園」と名づけました。
お米は様々な儀式や風習など、日常の生活様式にも深く関わる特別な存在と言えます。豊作を祈願したり、収穫に感謝したり。それは自然のなかに暮らす人にとって欠かすことのできない精神の持ちようであるといえます。鶴と亀のゆかりの深い自然豊かなこのいすみ市でお米を通した末永い文化をみなさんと一緒に育んでいきたいと思っています。
気軽に参加して『結(ゆい)』を育む
つるかめ農園では、そんな豊かなコミュニティーをみんなでつくるお手伝いもしています。つるかめ農園のコミュニティーは少しずつ成長しています。事業としても黒字化しているつるかめ農園で、自然と共存共栄する暮らしがまた経済的にも成り立つ持続可能な社会モデルでもありえることをみなさんと共に提案し実践していけたらと願っています。
つるかめ農園のコミュニティーは、地域に住む人たちだけで形成されているわけではありません。もっとゆるく種まきや稲刈りなど1年を通したイベントごとに関わってお米づくりを体験できるコミュニティー田んぼの制度などがあったりします。月1回程度の通いで座学と実践を学べる田んぼ塾生制度もあります。1年以上住み込みで学べる農業研修生の制度など、多種多様なバックグラウンドや生活スタイルに合わせた制度やイベントを企画しています。もちろん、就農を前提とした農地・住まい(空き家)の紹介、就農後の農機具シェアなどもやっています。
つるかめ農園でそんな場を共有しませんか?詳しくは「体験・参加する」
プロフィール
photo by Jun Igarashi
鶴渕 真一(つるぶち しんいち)
つるかめ農園 代表
1978年6月22日、いすみ市生まれ。高校卒業後、進学のため横浜へ。大学卒業後、住宅メーカーに勤務。退職後、ピースボートにて世界一周の船旅をし、様々な土地や多様な人々に触れることで日本の素晴らしさや自分自身の役割を感じる。紆余曲折を経て、浦安にて平成19年より5年間合氣道を修業し直し、自然と調和した暮らしを実践するため、自然豊かないすみに戻る。現在、自然との調和と循環をテーマに、合氣道指導、米づくりを中心とした農に力を注いでいる。
鶴渕 修子(つるぶち しゅうこ)
1982年4月2日、新潟県生まれ埼玉、東京育ち。大学を卒業後、リゾートホテルを展開する会社に就職。5年間勤務の後、大学の頃からの夢だった約1年間の世界一周旅行に旅立つ。バックパッカ―生活で28カ国を訪れ、世界の様々な文化や人を肌で感じる。帰国後は自然の中で地球にも自分にも優しい大地に根を張った暮らしがしたいと感じ、縁あって2012年4月いすみ市に移住。現在は息子の子育てをしながら、農園経営を行う。ひとりひとりが本来の自分の才能を活かしながら生きるをテーマに暮らし中。
スタッフ
飯塚 真紀(いいづか まき)
群馬県出身。酷暑の町、館林市育ち。学校を卒業後、東京でOL生活をしたものの、通勤ラッシュに堪え切れず、4年で都落ち。数年に及ぶ放浪の末、環境問題への関心から、循環する農業を学ぶべく、無肥料無農薬の農園(埼玉県)にて半年間の研修を受ける。その後、群馬に戻り、不耕起農法で5年間、アズキを栽培。理想の田畑地を探す中、荒れた山林を目にし、森林整備法の習得を目指し林業女子会@東京に参加。整備活動のフィールドが千葉県市原市だったことから、千葉県に縁付き、現在に至る。
アクセス
<住所>
〒298-0125
千葉県いすみ市深谷348
つるかめ農園
ー直売時間ー
白米は注文が入ってから精米する為、ご来所
前にお電話などで事前にお知らせください。
営業時間 月・水 10:00~12:00 / 13:00〜16:00
不在にする日もあるので、事前にお電話にてご確認の上お越し下さい。場所が分かりづらいのでご遠慮なくご一報ください。
090-6128-2280(鶴渕)
<お車でお越しの方>
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圏央道「市原鶴舞」ICより30分
<バスでお越しの方>
<電車でお越しの方>